
私の介護福祉士としてのモットーは、「ご利用者様ファースト」です。介護の現場では、ご利用者様が常に中心にいなければならない——これは一見当たり前のように思われますが、実際に現場でそれを実践するのは容易ではありません。
私はショートステイ施設で介護職員として働いています。ショートステイには、日々さまざまなご利用者様が入れ替わり立ち代わり宿泊に来られます。ご利用の理由は人それぞれですが、基本的にはご家族の介護負担を一時的に軽減する役割を担っていると私は考えています。
家庭で高齢者を介護するということは、実際に経験してみないと分からない大変さがあります。私自身、昨年父を亡くしましたが、亡くなるまでの数年間は認知症の進行や足腰の衰えが日々深刻になり、最終的には自宅での転倒や排泄のコントロールが難しくなるなど、介護の負担は増す一方でした。常にそばにいた母も、精神的に追い詰められ、疲弊している様子が目に見えて分かりました。
介護を受ける高齢者の方も、できていたことができなくなることに対して、申し訳なさを感じている方もいれば、認知症の影響で状況を理解できない方もいらっしゃいます。そんな方々が一時的に施設に来て、他のご利用者様と集団生活を送りながら宿泊されるわけですから、できる限り気持ちよく施設を利用し、笑顔でご自宅に戻っていただきたい——それが私の願いです。
そのためには、私たち介護職員が常に「ご利用者様が一番」という気持ちを持ち続けることが大切です。しかし現実には、職員不足や日々の業務の忙しさから、心にゆとりを持った接し方ができないことも少なくありません。それでも、「人手が足りないから仕方ない」と諦めてしまえば、そこで終わってしまいます。
私は、こうした介護業界の現状を踏まえたうえで、あらためて「ご利用者様ファースト」の意識を強く持ち、日々のケアに向き合っていきたいと考えています。ご利用者様が気持ちよく施設を利用し、安心してご自宅に戻れる——そんなショートステイを目指して、これからも一歩ずつ実践を重ねていきます。
ではまた
杉山カピバラ